イトーヨーカ堂の社長は「デフレでは減収でも増益を維持すれば悪い業績でない」と評価する人もいるが、世界最大といわれるギャップにも収益の悪化が出はじめた。このピンチをどう切り抜けるのか。これからのユニクロのマーチャンダイジングに課せられた課題とは何か。その一つは企画力、マーチャンダイジソダカが他のSPAと比べて弱いことだ。柳井は「作ったものを売るのでなく売れるものを作る。いわば仕入商品がなく自主企画によるものを主力にしたい」と言うが、それには強力なデザイン戦略が必要だ。いくら安く、品質がよくてもそれなしには、ベーシックなだけにすぐあきられてしまう。恐らくこれまでのユニクロの「ファン」になっていた消費者は、値段が安く、品質がよければという人が多かった。しかし、一方では、品質よりデザインやセンスのあるものならば買うという層がある。とくに若者層は後者が多い。若者が離れているのはそのためである。現在、商品の企画開発スタッフは東京のオフィスが中心となって動いている。東京本部でマーチャンダイザーやデザイナーが商品企画や素材選定を行ったら見本作りのパタンナーがデザイナーの絵をもとに型を起す。実物大の型紙を印刷(仕様書発註)し、生産は中国の六五ある縫製工場へという訳である。
コムサの特徴は、消化率が高いこと。消化率とは、ハーゲン前の正価で売った比率をいい、通常六〇%ぐらいだがコムサの場合は七六%と八〇%に近い高効率な経営だ。三つめの特徴は、基本に忠実ということ。これは先端的な企業イメージとは裏腹だ。コムサは、インターネット販売やバーチャルなものに金を一切かけない。お客との接点は店舗にあり。という考え方だからである。また従業員教育も厳しい。笑顔、あいさつ、など独自の憲法がある。中でも商品を畳んで陳列棚に並べる、いわゆるお畳みはテーブルの上の積み重ねと服の角が立って丁寧さに定評がある。この点丸井と共通した徹底ぶりをみることができる。さらにあげられることは取引の透明性である。競争を勝ち抜くために公正、公平、透明を心に刻み社員は接待供応・金品の贈答は一切遠慮する。上田は商いの基本に忠実であり、そこにコムサ収益の源泉を知ることができる。さて、同社の業績をみると他社に比べて驚異的な伸びを示している。
アメリカが英国に先がけ、メンズファッション全般にわたり、新たなアイテムを登場させるようになったのもこの時代からの傾向で、スポーツによるカジュアルウェアの細分化傾向は、当然クラシックスタイルにも影響を及ぼしていく。とりわけ、裕福な階級が第一次大戦後に夏を過ごしたバハマ(諸島)ファッションがカジュアル化を推進する。涼しく軽い素材の夏服だ。色も、全体に濃色から淡色へと変化し、カジュアルウェアの発想が、クラシックスタイルに次々に取り入れられてゆく。シャツも、ハードなカラーからソフトへ。さらに、アルゼンチンのカウボーイが愛用していた、いわゆるガウチョブラウスに倣った、ふっくらとした袖口が流行した。カジュアルウェアは、クラシックスタイルにも影響を及ぼし、それは現代でも続いている現業である。